■ なぜシルクスクリーンを始めたのか
新しいことを始めます。
美容師として、人の暮らしに寄り添う仕事をしてきたけれど、
もう一歩、自分の“手仕事の幅”を広げたいとずっと思っていました。
納屋のリノベーションやバイクガレージのDIYをしてきたのも、
「暮らしは買うものじゃなくて、自分でつくるもの」
そんな価値観が根っこにあるからです。
その延長線上で興味を持ったのが――
シルクスクリーン。
洋服をつくりたい。
それも業者に丸投げではなく、
自分の手でプリントして、物語のある服をつくりたい。
コピー機みたいに機械が自動で印刷するのではなく、
インクの乗り方や力加減で“手の跡”が残る、
そんな温度のあるものづくりに惹かれました。
そう思ったら、もう止まらない。
そしてついに、シルクスクリーンの機械が届きました。
それは大きな段ボールではなく、
まさかの
木箱。しかも250キロ。

ガレージにその木箱を置いたとき、
「ああ、本当に始まったんだ」と実感しました。
まだ使い方すらわからない。
でも、この“わからないところから始める時間”がいちばん楽しい。
ここから、また新しい物語が動き始めます。
■ シルクスクリーンとは?(わかりやすく説明すると)
シルクスクリーンは、スクリーン(網)に開いた穴を通してインクを押し出す印刷方法です。
仕組みはとてもシンプル。
- インクを通す部分
- インクを通さない部分
この2つを“版(はん)”として作り、
スキージと呼ばれるヘラでインクをグッと押し出すと、
透けた部分だけにインクが落ちて布や紙に模様が写ります。
子どもの頃にやったステンシル遊びの、
もっと本格的で、もっと深みのあるバージョン。

Tシャツ、バッグ、パーカー、木材。
いろんな素材にプリントできて、
同じデザインを何枚もきれいに刷れるのが特徴です。
そして何よりの魅力は、
手作業だからこそ生まれる“味”が残ること。
インクの厚み。
ちょっとしたムラ。
押し出す力の強弱。
その全部が、1枚1枚に“手の跡”として残る。
機械印刷では絶対に出せない、あたたかさがあります。
僕がこの技法に惹かれたのは、
そんな“人の手の温度”が服に残るところでした。
■ 家庭でTシャツを作ってみたい人へ(Tシャツくん紹介)
もしこの記事を読んで、
「自分でもTシャツ作ってみたい!」
と思った方がいたら、家庭用のプリント機材として
“Tシャツくん”シリーズがあります。
これは業務用の大きな機械ではなく、
家でも使えるサイズで、初めての人でも挑戦しやすい道具です。
僕は最初から本格的な大型機材を選びましたが、
「まずは気軽に試したい」という人には、このシリーズがちょうどいいと思います。
▼ Tシャツくんシリーズはこちら
ものづくりの最初の一枚は、人生で一度しかありません。
気になった方は、ぜひ覗いてみてください。
■ おわりに
まずはシルクスクリーンという新しい世界に、一歩足を踏み入れました。
ここからどんな服が生まれ、どんな物語が広がるのか。
ゆっくり手を動かしながら、この新しいものづくりを楽しんでいきます。


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